街の神秘と憂鬱

早朝勉強会で読みすすめている台湾女性作家、三毛の『撒哈拉故事』。

西サハラに住む新婚夫婦の波乱万丈な日常を、ユーモアたっぷり、時にシニカルに、そしてまた古今東西の文学作品や歴史、芸能人(!)などをチラリと引き合いに出しつつめくるめく文章がつづられています。

先日のパートの中で、わからない部分が2ヶ所ありました。
時事ネタの1ヶ所は、状元さんがしっかり調べて下さったので(すごい!)、わたくしはもう1ヶ所の美術ネタを。

問題の部分の文章はこちら。

五十度气温下的正午,只有烈日将一排排建筑短短的影子照射空寂街道上,整个的小镇好似死去了一般,时间在这里也凝固起来了。

当时我看见的景象,完完全全是一幅超现实画派作品的再版,感人至深。如果再给这时候来个滚铁环的小女孩,那就更真切了。



さて、この文章を読んで誰の?どの作品?って頭の中が???に。
シュルレアリスムの画家。
誰もいない時間が止まったかのような町。強烈な太陽が作る濃い影。
そこに少女が輪っかを回しながら走ってくる。

輪っかを回す少女!

ああ、絵がぼんやりと浮かぶ。左端にいる少女・・絵から受ける静かな孤独と絶望と、それでいて安堵しているような奇妙な感覚。

誰の絵だっけー???

ダリ?違う。あんなに生々しくない。
マグリット?これも違う。あそこまで幻想の世界ではない。
もっと線がくっきり太くて、色あいがざらりとした・・・・
エルンストか??近い、近づいてきた!でも、もっとぴったりの画家が。
ああああ、喉のここまで引っかかってきてるのにー!

落ち着いて思い出せ・・・・。

あ!キリコ!そうだそうだ、キリコ!このタッチは絶対キリコに違いない!

で、検索しました。

ありましたよー!私の頭の中にぼんやり浮かんだ絵が。
三毛の思った絵もこれに間違いないと思います。

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ジョルジュ・デ・キリコ画
『街の神秘と憂鬱』(1914)

このエッセイは1974年。
キリコが没する4年前ですから、もうその名声は世界をめぐっていたと思われます。

うん、異国の地サハラでキリコのこの絵と風景を重ねている三毛の姿が浮かんできます。

残るはあと1章。
またわからないところが出てくるといいなあ。
三毛を中心にいろいろな教養が身につきます。
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by nihaoperio | 2012-09-18 19:56 | 語学